ナパ・ヴァレー、レイク・カウンティ、ドライ・クリーク・ヴァレー編

前編に続き、California Wine Institute(CWI)認定「カリフォルニアワイン・スペシャリスト」として参加した「カリフォルニアワイン・スペシャリストツアー2026」の研修の様子をご紹介いたします。
後編では、世界を代表する銘醸地ナパ・ヴァレーをはじめ、雄大な自然と高標高のブドウ畑が広がるレイク・カウンティ、そしてソノマ・カウンティを代表する産地のひとつ、ドライ・クリーク・ヴァレーを巡りました。
歴史ある名門ワイナリーから、次世代を見据えた革新的なワイン造りに取り組む生産者まで、それぞれの土地でブドウ栽培や醸造について学び、生産者の方々と直接交流する貴重な機会となりました。
また、ワインそのものだけではなく、サステナブルな農業への取り組み、自然環境との共生、ワイナリーにおけるホスピタリティなど、カリフォルニアワインを取り巻くさまざまな文化や考え方にも触れることができました。実際にその土地を歩き、畑を見て、造り手の言葉を聞きながらワインを味わうことで、それぞれの産地が持つ個性と、カリフォルニアワインの奥深さを改めて実感する研修となりました。
各ワイナリーでの訪問や研修の様子については、それぞれ動画でもご紹介しております。現地のブドウ畑やワイナリーの雰囲気、生産者との交流など、カリフォルニアワインの魅力をぜひ映像でもご覧ください。
Savoy Vineyard サヴォイ・ヴィンヤード 見学 ウィリアムズ・セリエム(Williams Selyem)ドナム(Donum)トニー・チャップマン(Tony Chapman)が案内
サヴォイ・ヴィンヤード(Savoy Vineyard)は、アメリカ・カリフォルニア州のアンダーソン・ヴァレー(フィロ)にある、高品質なピノ・ノワールやシャルドネの銘醸畑です。アンダーソン・ヴァレーの高級畑の中では、比較的凝縮感が高く、なめらかな舌触り、酸の骨格と複雑な風味が感じられます。
メンドシーノの海側に位置するアンダーソン・ヴァレーは冷涼な気候を有し、ピノノワールの一大産地として知られています。多くの著名ワイナリーにピノノワールを供給するサヴォイ・ヴィンヤードは霧が立ち込めるヴァレーの北東側平地に広がります。
マスターソムリエ アンソニー・アンセルミ氏と共に Obsidian Wineでレイクカウンティの魅力に迫る。
畑はクリアレイクを見下ろす標高約900メートルの高地。目の前には休火山が広がり、足元にはワイナリー名の由来でもある、黒く美しく輝く火山ガラス「オブシディアン(黒曜石)」が無数に転がっています。
Obsidian WineのオーナーであるPeter Molnar氏の話では、この地の土壌は、火山活動によって形成された赤い火山性土壌と黒曜石が混在する非常に水はけの良い痩せた土壌。ブドウの樹は水分を求めて深く根を張り、小粒で果皮の厚い果実を実らせます。昼夜の寒暖差も大きく、凝縮した果実味と豊かな酸、力強いタンニン、そして火山性土壌ならではのミネラル感を備えた、長期熟成に優れたカベルネ・ソーヴィニヨンが生まれます。
テイスティングの後は、ワイナリーのご家族とともにピクニックランチ。
雄大な景色を眺めながら味わうワインには、その土地の歴史や自然、人々の想いまでもが溶け込んでいるように感じました。
ベクストファー・ヴィンヤーズ(Beckstoffer Vineyards)Red Hills AVA 訪問
マスターソムリエのトーマスAnthony Anselmi さんの解説全米を代表する最高峰の資格「マスター・ソムリエ(MS)」であり、オーシャンズ・ワイン社の所有・経営者です。世界各地のワインセミナーやイベントなどで、卓越した知識と経験に基づいた解説を行っています。
こちらはレイク郡のRed Hills AVAに高品質なブドウ畑を所有し、主にプレミアムなカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培しています。 レイク郡における特徴* 火山性土壌:水はけが良くミネラルに富んだ独自の土壌環境。* 高標高の環境:標高約700m以上の高地に位置し、強い日照と冷涼な気候のバランスを保持。
シャノン ファミリー オブ ワインズ レイクカウンティ Shannon Family of Wines
カリフォルニア州レイク・カウンティを代表する家族経営のワイナリー、シャノン・ファミリー・オブ・ワインズを訪問しました。
ここは、豊かな自然と共生しながら、高品質な高地ワインを生み出すことで知られるワイナリーです。環境への負荷を抑えたサステイナブル(持続可能)なブドウ栽培を実践し、その取り組みは世界中から高く評価されています。
まずは、美しい湖を見下ろす丘陵地帯に広がる壮大なブドウ畑を見学。標高の高い冷涼な環境と火山性土壌が、この土地ならではの個性豊かなワインを育んでいます。
ガーギッチ・ヒルズ・エステートGrgich Hills Estate 訪問
ガーギッチ・ヒルズが所有する5 つの自社畑では有機栽培を実践し、化学肥料や殺虫剤、除草剤等は一切使用せずに、天然酵母だけを用いてワインを醸造します。
マイクの口癖である「畑から皆さんのグラスに直送の自家製ワイン!」という一言を確実に実行し、お食事と合わせやすく、繊細で上品なワインを造ることを心がけています。
2003 年以降、ガーギッチ・ヒルズのすべてのワインのラベルに「エステート・グロウン」と記載しています。これは自社畑のブドウ100%からワインを造ったことを証明しています。2006 年にはワイナリーが完全に太陽光発電に移行しました。これらを記念して2007 年にワイナリー名をガーギッチ・ヒルズ・エステートに改名しました。
DALLA VALLE Napa Valley ナパ・ヴァレーのオークヴィル地区
ダラ・ヴァレの畑が位置するのは、オークヴィル東部の標高122mの斜面。赤い火山岩土壌に砕けた花崗岩が混じり、鉄分を多く含んだ土壌が特徴で、水はけが良く、またサンパブロ湾から涼しい風が吹き込んでくることで、綺麗な酸を持った上質なブドウが育ちます。
醸造については発酵後、新樽比率約80%のフレンチオークでおよそ20カ月間熟成。ワインの複雑味を残すためにフィルターや濾過を行わずにリリースされます。
ロバートモンダヴィ訪問 楽しいランチ カーティス小笠原さんもジョイン 超近代化された施設に改修
ナパヴァレーの名門、ロバート・モンダヴィ訪問創業60周年を記念して超近代化された施設に驚きました。ファサードの噴水が無くなっていて、門をくぐるとテラス席と芝生がありましたが、撤去され奥には素晴らしいレストラン会場や近代化された醸造所が出来ていました。
常に時代と共に進化し続けるモンダヴィ。ワイナリーの食事・テイスティング環境やリニューアルされた施設は、約3年間の大改修を経て近代化され、2026年4月に再オープンしました。ランチでは、醸造家の日経4世、カーティス・小笠原さんも来て頂き楽しい時間を過ごしました。
カリフォルニアのマイクロクライメットを空から学ぶ!〜ナパ・ヴァレーを気球で上空860mへ〜
早朝、ナパ・ヴァレーのヨントヴィルからスタート。ゆっくりと高度を上げ、最高高度はなんと約864m!(アップルウォッチ計測値)東側のヴァカ山脈の高い地点があアトラス・ピーク(約812メートル)なので、そこより高い位置まで到達しました。
上空から見下ろすナパ・ヴァレーは圧巻です。
今回、特に興味深かったのが「霧」。
カリフォルニアのワイン産地を理解するうえで欠かせないのが、太平洋を流れる冷涼なカリフォルニア海流と、サン・パブロ湾から入り込む冷たい海風、そして複雑な海岸山脈と谷の地形です。
実際に気球で霧の層を抜け、その上空から霧の広がりと流れを見ることができました。
これまで教科書や地図で勉強してきた「マイクロクライメット」が、目の前で立体的に広がっている!これは本当に感動的な体験でした。
ラストディナー 〜醸造家たちを招いて〜 場所は、Comstock Wine Country Estate
カリフォルニアワイン研修、その最後の夜。旅の締めくくりとして、今回お世話になったワイナリー関係者や醸造家の皆さまをお招きし、感謝と労いの気持ちを込めたスペシャルディナーが開催されました。
ゲスト
Akiko & Ken Freeman(Freeman Winery)
・Bibiana Gonzalez & Jeff Pisoni(Cattleya & Pisoni Vineyards)
・Cathy Corison(Corison)
・Christopher L. Strieter(Senses)
・John & Rory Williams(Frog’s Leap)
・Malek Amrani(The Vice)
・Michael Parr(Wente Family Estates)
・Xander Soren(Xander Soren)
・Connor Best(Napa Valley Vintners)
・Chris Miller MS・Julie Berge(California Wine Institute)
Cooperated by: Chef Steve Litke & Ray Tang
グラスを片手に、ワイン造りの話、今回の旅の思い出、そしてこれからの話へ。造り手と販売業者、ソムリエ、飲み手という垣根を越え、いつしか会場全体がひとつの大きな家族のような温かな雰囲気に包まれていました。
今回のカリフォルニア研修では、数多くのワイナリーやブドウ畑を訪問し、生産者、醸造家、ワイン業界関係者の皆様と直接意見を交わす、大変充実した時間を過ごすことができました。
広大なカリフォルニアでは、海からの風や霧、標高、地形、土壌などによって産地ごとに異なる個性が生まれています。そして、その自然環境を深く理解しながら、より高い品質を目指して挑戦を続ける造り手たちの情熱にも触れることができました。 ワインを知識として学ぶだけではなく、「その土地へ行き、自分の目で見て、造り手から直接話を聞く」ことの大切さを改めて感じた今回の研修。 ここで得た知識や経験、そして現地で築いた生産者の皆様とのつながりを、今後のワインの販売やイベント、セミナーなどを通じて皆様にお伝えしてまいります。 CWI認定「カリフォルニアワイン・スペシャリスト」として、カリフォルニアワインの多様性と魅力を北海道から発信し、その素晴らしさを一人でも多くの皆様にお届けできるよう、今後も活動を続けてまいります。 最後になりましたが、今回の研修を企画・運営してくださったCalifornia Wine Institute(CWI)の皆様、各地域のワイン協会・団体の皆様、そして温かく迎えてくださったワイナリー、生産者の皆様に、心より御礼申し上げます。 株式会社中村プロモーション広報 二宮あけみ
@calwinesjp
ツアーコーディネートカリフォルニアワイン協会 日本事務局 手島孝大氏、扇谷まどか氏通訳 山本 香奈氏